町長施政方針

町長施政方針
平成31年度施政方針

平成31年3月定例会に当たり、町政の推進について私の所信の一端を申し述べ、議員各位、並びに町民の皆さまのご理解とご協力を賜りたいと存じます。

昨年2月、町長に就任して以来、早1年が経ち、2度目の3月定例会を迎えることができました。この間、議員の皆様をはじめ、町民の皆様からは多くのご支援と、厳しくも暖かいご指導をいただきましたこと、高い席からではございますが、お礼申し上げます。

さて、今、日本経済は「アベノミクスの推進により大きく改善し、デフレではない状況を作り出す中で、GDPは名目、実質ともに過去最大規模に拡大しており、企業収益は過去最高を記録するとともに、就業者数の増加、賃上げなど、雇用・所得環境は大きく改善し、経済の好循環は着実に回りつつある」と言われております。

しかし、私たちが住む鳥取県にあっては、その実感は乏しく、むしろ債務残高見込みが対GDP比240%と主要先進国中最悪の状況が続く国の財政状況や、今後も高齢化の進展に伴い社会保障関係費の増嵩が避けられない状況を鑑みれば、これからの本町の一般財源は引き続き減少傾向を予想せざるを得ないものと感じております。

そういった中、本町の人口はさらに減少を続けています。1月に鳥取県が発表した推計人口では、日野町は遂に3千人を割ってしまいました(2,983人)。平成27年に策定した「きらり日野町創生戦略」で掲げた基本目標の一つ「移住者数」においては、平成29年度末時点で目標を上回っているにも拘わらず、人口の減少に歯止めをかけることができません。やはり大きな挑戦であり、容易ではない問題とわかっておりましたが、再認識し、決意を新たにしたところです。今年は、現在の地方創生戦略仕上げの年であります。さらに一歩踏み込んだ施策を展開していきます。

一方で、人口が減少しても、人と人とのつながりを大切にし、生きがいや安心を感じることができるまちづくりも必要と考えています。

暮らしている人たちが住んで良かったと思える町、将来を担う子供たちに誇りを持って引き継げる町づくりを進めていくため、引き続き私の掲げる3つの公約、「保健、医療、福祉の充実」、「地域資源を活かした産業振興」、「教育・子育ての充実」の実現を進めて参ります。さらに、昨年の自然災害を大きな教訓として、防災・減災対策も重要な課題として取組んでまいります。

また、今年は日野町制施行60周年の記念すべき年であります。町民の皆さまとともに町の還暦を寿ぎ、さらに未来に向かって全力で町政運営に取組んでまいります。

それでは、以下3つの公約と「移住・定住の推進」、「防災・減災対策の充実」を中心とする今年度の予算の主な施策についてご説明申し上げます。

「保健・医療・福祉の充実」では、まず介護予防・認知症対策の推進に努めてまいります。

平成30年度は、いきいき百歳体操の全町での推進を図りました。当初12地区の取組でしたが、現在は23地区に増えました。週に一度住民が集まって、体操や御茶会をすることにより介護予防や住民間のコミュニケーションを図るこの取組をさらに広げてまいります。

また、配置2年目となります認知症地域支援推進員を中心にした地域の認知症に関する正しい理解の普及啓発と認知症初期段階での早期対応を行い、認知症の予防・進行の抑制、発症してもできるだけご本人やご家族の希望に沿った生活を維持できるようサポートしてまいります。

健康づくりでは、特定健診とがん検診の同日実施を開始します。これにより、町民の皆さまの利便向上を図り、受診率向上を目指します。さらに、生活習慣病対策に力を入れ、早期発見、早期治療で健康を守るとともに医療・介護給付費の抑制を図ります。

地域福祉の充実・社会福祉協議会の体制強化にも取り組みます。日野町には、行政サービスのみならず住民同士が助け合い、地域で支えあう福祉のまちづくりが必要です。そのための支援員、生活支援コーデイネーターを社会福祉協議会に配置し、社会福祉協議会の体制を強化することで地域福祉の充実を図ります。

介護・医療・福祉の分野での人材確保も課題です。昨年度創設した奨学金貸与制度や奨学金補助制度の活用をはじめ、各種定住施策や日野高校との連携などで人材確保を図ってまいります。

次に「地域資源を活かした産業振興」についてです。

農業は、地域資源を活かした水稲、白ネギ、ブロッコリー、ピーマンなど特産品の栽培振興に引き続き努めます。しかしながら、取り巻く情勢は、予期せぬ自然災害の発生や高齢化と後継者不足により、遊休農地の発生や農地の荒廃化など深刻な問題となっております。

今後においても集約化された農地はもとより、集約化が困難な小規模農地の活用を図るため、労力の少ない日野町に適した、労力負担の少ない作物導入の研究や、農地中間管理機構の公的機関による農地の集約化・担い手等の規模の拡大を支援することにより耕作放棄地の防止・解消に努めたいと思います。

集落営農を維持・推進するためには、中山間直接支払い、多面的機能支払い、しっかり守る農林基盤交付金事業などにも引き続き取り組みます。集落協定組織の声を聴きながら、集落の地域保全を推進していきます。

また、農地を守るのに必要不可欠な水路の維持管理については、地域の実情をしっかり把握しながら人的支援ができる体制づくりにも努めてまいります。

さらに、担い手農家への支援を継続し、後継者がいない、高齢化により農作業が負担となっている農家等の農作業を受託する農林振興公社について、農業後継者の育成として体制強化等の取組を支援します。

また、農地を守るのに欠かせない鳥獣被害対策についても、「寄せない、入れない、捕まえる」の基本を守りつつ、日野郡鳥獣被害対策協議会や町猟友会等各種団体との連携を図りつつ、機能強化をしてまいります。

次に林業です。木材価格は依然低迷しておりますが、国土保全の意味からも山を守ることは必要不可欠であります。

森林情報のデータベース化、林地台帳整備システムを有効に活用しながら、鳥取県が推進する県・市町村・森林組合がインターネットでつながれた共通システムによる森林情報の共有化を図り、森林整備を推進します。県の林業再生事業補助金を活用して基幹的路網整備等に取組みます。 また、市町村が主体となって実施する森林整備等に充てるため森林環境譲与税が創設され、いよいよ新年度から譲与されます。今後も森林組合などの林業事業者と連携を密にし、財源を有効に活用して森林経営計画の策定など森林の経営管理の円滑な実施を促進し、より一層の間伐事業の推進などによる森林整備の推進に取組んでまいります。

商工業につきましては、町内事業者支援として飲食店スタンプラリー、伯耆の国・出雲街道根雨宿「福よせ雛」事業への支援を継続し町の賑わい創出を図ります。また、小規模事業者経営貸付資金利子補助も行うなど町内商工業者の育成を行うこととしております。

観光分野では、本町の豊かな自然、歴史、文化は貴重な資源です。これらの資源を磨き上げ、全国に向けて発信することにより町の活性化につなげていくことが重要です。

昨年実施した「たたら製鉄体験イベント」を新年度は内容を拡充して実施するなど、引き続き「たたら」をキーワードとしたまちづくりを推進します。

また、商工・観光・農産物販売の大きな拠点となり得る「金持テラスひの」には、引き続き「賑わいづくりコーデイネーター」を配置し、観光振興、特産品振興に取組んでまいります。

なお、新年度から産業振興課において農林業・商工業・観光を一体的に担当するよう、本町の組織・事務分担を改編いたします。 次に「教育・子育ての充実」についてです。

平成31年度の児童生徒数は、黒坂小学校27人、根雨小学校46人、日野中学校56人の予定でございます。3校とも小規模校ではございますが、小規模校という利点を活かして、一人ひとりの学力、体力そして生きる力を伸ばせるように、きめ細やかな教育を展開して参ります。

子どもたち一人ひとりの発達段階に合った教育を展開し、学力等を身に付けることができるように、黒坂小学校、根雨小学校におきましては、複式学級をそれぞれ1つずつ解消し、単式学級での学習を実現します。日野中学校におきましては、引き続き学習支援員を配置し、ティーム・ティーチングによる授業を多く展開することで、一人ひとりのつまずきに対応しながら、確実に学力を身に付けさせていきます。学習環境の整備として、小学校のパソコンを最新のOSを搭載した機器に更新することで、より安全で快適なICT環境をつくり、それらを使った豊かな学びを実現していきます。

また、地域や家庭と学校が一体となって子どもたちを育てる仕組みであるコミュニテイー・スクールを4月から日野中学校区に導入致します。多くの町民の皆さまが、当事者意識をもって子供たちの教育に関わってくださることで、将来への夢や希望を持つとともに生まれ育った日野町を大事にし、これからの日野町を担っていこうという気持ちを持った子どもたちが育っていくものと確信しております。

また、日野高校の魅力化について引き続き県、日南、江府両町と協力した取り組みを進めて参ります。さらに、3町が連携して、日野郡の高校生を対象として、日野郡の魅力を伝え、将来的に地域に戻ってきてくれる人材の育成、高校生になっても地域との関係性を継続するふるさと教育の仕組みを検討します。

ひのっこ保育所につきましては、平成31年度は60人程度の入所が予想されます。保育内容を充実させるとともに、小学校への接続を意識したカリキュラムの実施により、学校教育へのスムーズな移行を実現して参ります。また、「子育て支援室おひさまひろば」の開設日数を増やし、「病児・病後児保育」を引き続き実施することで、保護者の子育てと就労の充実を支援して参ります。

家庭での子育て支援の強化として、新たな取組みであるボランティアを活用した育児支援であるファミリー・サポートセンター事業を開始します。

子育てへの不安を解消するための切れ目のない見守りと相談支援、産後直後の「育児パッケージ事業」、3歳まで祝い金をお贈りする「すくすく子育て支援事業」、家庭で保育されるご家族に支援金を交付する「家庭子育て支援事業」も継続し、子育て世代を応援します。

次に「移住・定住の推進」についてです。

人口減少をできるだけ緩やかにしていくことが急務ですが、そのためには、町外から移住者を呼び込むとともに、若者がこの町に住み続けることができる環境を整えることが必要です。

移住・定住を促進するために、移住者をはじめ町内在住若年世帯も対象とした住宅整備への支援等を継続するとともに、新たに、町が空き家を借り上げて必要な改修を行った上で移住者に貸し出す「空き家借り上げ・活用事業」を開始いたします。もちろん住まいへの支援以外に移住者への通勤支援の拡大や、U・Iターンや孫ターンした児童・生徒を対象とした給付型の「あゆ奨学金支給」など生活支援にも配慮していきます。

また、本町が全国で初めて導入した「ふるさと住民票」制度による関係人口の見える化を推進するとともに、将来的には移住(Uターンなど)やふるさと納税につながるような施策を実施して参ります。

平成27年10月に策定した「きらり日野町総合戦略」は来年度末で計画期間の終期を迎えます。これまでの取組をしっかりと評価・検証した上で、町民の皆さまのご意見をお伺いしながら、新たな計画・戦略を策定します。これにより、町の将来像を町民の皆さまと役場が共有しながら「まちづくり」を推進して参ります。

次に「防災・減災対策」についてです。

昨年は、7月豪雨、台風24号と立て続けの豪雨災害に見舞われました。幸い人身に関わる被害はなかったものの、道路・農業用施設には多くの、そして大きな被害の爪痕を残し、住宅家屋にあっても一部には床上に及ぶ浸水被害が発生しました。改めて自然災害に対する備えの必要性を身近に感じた1年でありました。

そこで、まずこれまであった土砂災害警戒区域のマップ、板井原川浸水害想定マップ等を再編集します。より見やすい地図を作成するほか、防災に関する情報をまとめた冊子を作成し、全世帯に配布いたします。

また、大規模災害時に複数のヘリコプターの離発着を可能にするヘリポートを滝山公園付近に建設し、備蓄倉庫を併設することで、かねて課題となっていた黒坂・菅福地区の非常時支援物資を備蓄します。

防災無線のリニューアルも大きな防災事業の1つです。平成18年以来運用している現行のアナログ式無線をデジタル方式に変更し、各世帯に配布している受信機も交換させていただきます。31年度は実施設計、32年度に工事及び機器設置をする予定です。

「日野町制施行60周年記念事業」では、記念式典をはじめ文化センターや公民館などで開催する各種の記念行事、生きいきひのふれあい祭り記念開催、町誌・町政要覧などの作成と各世帯への配布を予定しています。

その他、「公共施設等の整備」については、30年度は文化センターの空調設備等の改修工事を実施してまいりましたが、役場庁舎の空調設備についても老朽化が進んでおり、31年度はこの改修工事に着手いたします。これら公共施設等は、簡易水道事業、下水道事業を含め、みな建設後相当の年数が経過しており、延命化を図る観点から、今後施設の改修、機器の更新などが必要となります。計画的な取組みにより財政への影響が一時に集中しないよう配慮してまいりたいと存じます。

以上、平成31年度の町政の方向と予算の概要について申し述べました。

今年は、町政60周年の記念すべき年であり、改めて未来に向かって歩みを進めていく年であります。この町に住みたい、住み続けたい人を増やし人口減少を緩やかにする、この町を知っている、この町に来てみたいそういった関係人口を増やし賑わいを作り出していく、そのような取組を進めていくことにさらに努力していく、全力を尽くしていくことをお誓いし、議員各位、町民の皆さまのご理解とご協力をお願いしたいと存じます。

平成31年3月4日

日野町長 﨏田淳一

平成30年度施政方針

平成30年3月定例会に当たり、町政の推進について私の所信の一端を申し述べ、議員各位、並びに町民の皆さまのご理解とご協力を賜りたいと存じます。

私は、町民の温かい支援をいただき2月26日に初登庁いたしました。改めて責任の重大さに身の引き締まる思いを感じたところであります。町民の負託にこたえるべく、日野町のために全力を尽くす覚悟でございます。

さて、今、日本経済は全体では雇用・所得環境に改善がみられるということですが、中国山地のこの町での実感は乏しいと言わざるを得ません。アメリカトランプ政権の経済・金融政策の動向など国内外の経済を取り巻く情勢は激しく変動している状況にあり、改善効果の地域への波及はまだまだ予断を許さない状況にあると思えます。

いま日野町は少子高齢化により過疎化が進行し、高齢化率は50%に迫ろうとしております。ここで暮らしている人たちの幸せを最優先に考え、この日野町に住んでよかったと思えるまちづくり、将来を担っていく子供たちに誇りをもって引き継げるまちづくりを、私は進めていきます。

そのためには、保健・医療・福祉の充実が必要であります。

行政・医療機関・福祉施設の連携を強化し、在宅看護、介護の負担軽減を図る訪問看護、介護の充実を進め住み慣れた家で健康で長生きできる体制づくりを進めていきます。

また、福祉、医療、介護従事者等の人材確保に取り組み、併せて若者の定住促進にもつなげていきます。専門人材の確保、定着のために奨学金制度を設けたいと考えます。また、雇用と定住促進のため住宅環境の整備を進めます。

さらに、高齢者向けスポーツの推進を図るなど健康で長生きできる環境づくりに取り組んでまいります。手軽に取り組める「いきいき百歳体操」を全町に普及したいと思います。公民館の講座を拡充し「おしどり大学」に衣替えし、生涯を通じた学びによる生きがいづくりを応援します。

次に、地域資源を活かした産業振興に取り組んでまいります。

IターンやUターンなどによる人材確保はもとより、地元に残り農業を引き継ぐ農業後継者にも目を向けることが必要です。集団化した農地はもとより、小規模農地の維持活用を図るため、日野町に適した作物導入を研究し特産品の開発に努めてまいります。商品開発を含む6次産業化、電子取引を含む商品の販路開拓に取り組みます。また、多大な労力等が必要な農業水路の維持管理の労力軽減の取り組みを進めてまいります。

山林の活用、観光資源・拠点のネットワーク化、町内外への情報発信力の強化による観光客、来町者の拡大を目指した取り組みを進めてまいります。

日野町の歴史・文化こそ貴重な観光資源であります。たたら製鉄遺構や木造建築物、黒坂鏡山城など文化財としての価値を明らかにし、保存・活用を図り町内外に情報発信します。

さらに、教育・子育ての充実に取り組んでまいります。

保・小・中・高の交流を促進し、日野町ならではの一貫した子育て・教育を推進するとともに、日野高校存続のため、日南・江府両町と協力した取り組みを進めてまいります。また、家庭での子育てに対する物心両面の支援を強化し、家庭での子育て不安の解消に努めてまいります。

ひのっこ保育所については引き続き保育料の大幅な軽減を実施するとともに、家庭内で子育てするご家族への支援金を交付する家庭子育て支援事業により、保護者の負担軽減を図ってまいります。また、常勤小児科医が配置される日野病院の協力をいただき新たに「病児・病後児保育」の実施など、保護者の子育てと就労の充実を支援してまいります。

これら公約に掲げました三つの事項を、一気には困難でありますが着実に実行してまいる所存であります。

選挙期間中、多くの町民の皆さんと会い話をお聞きました。これら町民の声を私の町政の起点にしたいと考えます。町長室から全ての地区に出かけて行って要望や意見を丁寧に伺い、必要な施策に結び付けてまいります。

役場の就任式において、風通しの良い職場にしたいこと、また、職員の意見や提案を聞きながら進めていきたいので、職員には情熱を持って行動してほしいと話しました。役場の総力を上げて新たなまちづくりを進めてまいります。これまでの役場の事務事業や組織もこの際よく点検し必要があれば見直しを行っていきます。

「新しい風をおこす」。新しい風は町民の皆様の熱い期待のフレーズであります。この期待に添うためには果敢に物事に挑戦していく姿勢、点検し見直すべきのものがあれば見直していくという変革をいとわない勇気と決断が必要であります。

私の努力だけでは到底足りません。議会の皆さま、町民の皆さまのお知恵、ご理解、ご協力を切にお願いするところであります。住む人が心を未来につむぐ、元気で賑わいのあるまちづくりに積極的に取り組んでまいります。

以下、お示しした三つの柱に沿って予算の主な施策を説明します。

なお、今回は就任してからの時間が短く新規事業等の予算化に向けた検討・調整の時間が十分に取れなかった事情もあり、今回の当初予算は骨格予算でありますので、6月議会にて肉付け予算のご審議をいただきたく、重ねてのご理解とご協力をお願いいたします。

保健・医療・福祉の充実についてであります。

高齢の方々が住み慣れた地域で健康で自立し、安心して暮らすことができるよう、生活を支えることが重要です。日野病院と行政、関係団体が力を合わせ、多職種の専門職が連携協力して医療や福祉サービスを提供できるよう一層の連携を図ります。

生活の支援では移動や買い物の支援が重要になります。タクシー利用費助成や移動販売事業を応援する買い物福祉サービス支援事業を行います。また、高齢者の見守り支援を継続してまいります。

給付費の増嵩により平成30年度から介護保険料を引き上げさせていただきたいと思います。必要なサービスを賄うためご理解をお願いしたいと存じます。今後介護保険料を抑制するためにも、介護サービスの適正利用と要介護状態にならないための健康維持・増進、介護状態の重度化の予防が何より重要になります。「いきいき百歳体操」や健康講座など介護予防とともに、新年度からは要介護の大きな要因となる認知症対策について、「認知症初期集中支援チーム」の設置、「認知症サポーター養成講座」の開催などに取り組みます。

これまでの乳幼児健診、予防接種に加えて、新たに聴覚障がいを早期に発見し対応するための「新生児の聴覚検査費用助成」と、3歳未満児のロタウィルス・おたふくかぜの流行と重症化を予防するため「子どもの任意予防接種費用助成」を始めます。

地域資源を活かした産業振興であります。

農業を取り巻く環境は、高齢化や後継者不足、農地の荒廃化などに加え、コメ政策の見直しや通商政策に伴う規制緩和の動きなど引き続き厳しい状況にあります。

担い手農家への支援を継続し新たな機械導入に助成を行います。また、販売野菜の種苗購入費を補助することにより販売農家の所得向上と意欲増進を図ります。農林振興公社については、農業研修生を受け入れ後継者育成を進め持続可能な運営を支援します。

中山間地域における生産条件の不利を補い集落営農を維持・強化するため、中山間地域等直接支払、多面的機能支払、しっかり守る農林基盤整備事業などにも引き続き取り組みます。鳥獣被害対策については、鳥獣被害対策実施隊員を雇用し日野郡3町と県・猟友会等の連携を図り取組を進めていきます。

林業について依然木材価格は低迷していますが、国土保全の意味からも山を守ることは必要不可欠であります。国が推進する森林情報のデータベース化を進めるため、林地台帳整備システムの作成に着手するとともに、県・市町村・森林組合で電子システムによる森林情報の共有化を図ります。森林組合など林業事業者と連携を密にし、森林経営計画の策定を促進し、より一層間伐事業の推進に取り組んでまいります。

商工業につきましては、町内事業者支援として昼食スタンプラリーを継続します。事業承継や商品開発の支援を行うほか、新たに小規模事業者経営貸付資金利子補助も行うなど町内商工業者を応援します。

本年県西部で開催される大山開山千三百年祭と連携して、たたら製鉄体験イベントを開催するなど「たたら文化」を広く紹介します。近藤家住宅、町公舎、旧根雨公会堂、旧合銀根雨支店のエリアを一体的な観光資源と位置づけ、文化財として保存のうえ活用を図ります。合銀建物の保存・活用について、有識者による検討委員会を設置して議論を深めてまいります。

教育・子育て支援についてであります。

中山間地の小規模校であっても教育環境を市部以上に充実し、学力の向上に加え、体力や生きる力を伸ばせるように、地域や家庭と一体になって子どもたちを見守り育ててまいります。

平成32年度に実施される新しい学習指導要領に先立ち、本年度より小学校3・4年生で英語活動35時間を、5・6年生では英語教科70時間を先行実施します。公設の英語教室「英語寺子屋」を継続し、英語でコミュニケーションが図れる児童生徒の育成を図ります。また、平成31年度のコミュニティ・スクール導入に向けて、町民の皆様への理解を深める啓発活動を進めて参ります。

引き続き学校司書、中学校への学習支援員の配置、黒坂小学校で少人数学級対策を図り、一人一人の課題に対応した教育の実現をめざします。また、ふるさと基金を活用し小中学校、保育所、町図書館・よらいや図書館の図書の充実を図ります。

日野高校との連携については、日野郡3町で共同設置するコーディネーターにより地域との連携による高校の魅力向上を図ります。新たに教育専門家の参加も得て魅力向上推進委員会を設けます。双葉寮の再開を町として支援し生徒確保につなげます。

公共施設等の整備についてであります。

町民の文化活動の拠点である文化センターの空調設備等改修工事を実施し、施設の延命化を図ります。周辺地域へのアクセスや代替ルート確保のため、町道下黒坂線の舟場から江府町下安井までを鳥取県に事業委託して道路改良に取り組みます。

また、安心安全な飲料水を安定的に供給するため、根雨地区簡易水道老朽管の布設替えを実施します。下水道事業については、事故の未然防止やライフサイクルコストの最小化を図るため、長寿命化計画に基づき処理施設の更新を実施します。

中海テレビのケーブルテレビ網を活用して、町内のニュースや議会放送などを専属で放映する町民チャンネルを開設します。モバイルでの視聴も可能ですのでホームページや広報ひのに加え、広報力・情報発信力の向上を図ってまいります。

最後に、若者を中心とした移住・定住を促進する「ふるさと日野あゆプロジェクト」に引き続き取り組みます。具体的には、移住・定住を促進するため、移住者をはじめ町内在住の若年世帯も対象とした住宅整備への支援、移住者を対象とした空き家改修への支援、移住者への通勤支援、U・Iターンや孫ターンした児童・生徒を対象とした給付型のあゆ奨学金を支給します。民間の力を借り婚活支援により若者に出会いの場を提供します。

日野町の住基人口は3月1日現在で3,222人となり人口減に歯止めがかからない状況にあります。これを緩やかにすることが急務と考えます。産業の振興、手厚く特色のある教育・子育て、住宅環境の整備、日野病院の小児科や診療科の充実など、トータルな施策により人口減に立ち向かってまいります。

以上、平成30年度の町政の方向と予算の概要について申し述べました。議員各位のご理解とご賛同をお願いしたいと存じます。

平成30年3月7日

日野町長 﨏田淳一

平成29年度施政方針

議員各位には、平素から町政運営にご支援を頂き、心から感謝申し上げます。

平成29年度の町政推進に当たり、施策の方針を申し述べ、議員の皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げるものであります。

この一年、自然災害が相次ぎました。熊本地震や東北・北海道に台風が上陸し多大な被害をもたらすなどこれまでの想定や科学の常識を超える自然の猛威に襲われました。鳥取県内では昨年10月鳥取県中部を震度6弱の地震が直撃し住宅の屋根瓦や壁の崩壊など大きな被害が発生しました。また、今年に入って県内は二度の豪雪に見舞われました。県東部では90センチを超える積雪で幹線道路での車の立ち往生や、大渋滞が起こりました。自然災害の恐ろしさと防災対策の必要性を改めて考えさせられるとともに、17年前に鳥取西部地震を経験している日野町として、町民が安心して住み続けられるまちづくりに一層力を入れなければならないと決意を新たにしているところです。

目を世界に転じると、アメリカ新大統領は米国第一の旗を振り保護貿易や移民排斥に動くなど異端の言動を繰り返し、わが国をはじめ各国は緊張と混迷の中にあります。北朝鮮はミサイル実験を繰り返すなど東アジアの不安定要因は増し、欧州は統合から流動化への道を歩み始めているように見えます。世界では今、先行きの見えない情勢が続いています。

国内では、安倍首相による長期政権が続いていますが、アベノミクスによる地方への波及はいまだ見えず期待は薄れつつあるといえます。高齢社会にあって必要な税財政改革は先延ばしする中、国民の格差は拡大し、東京への一極集中は続いています。政府にはやるべきことをしっかりとやって頂きたい。外交に力を入れるのは当然として内政にもきちんと目を配ること。地方創生を断固推進し、国と地方の総力戦で、東京一極集中を是正し若者の地方流出を食い止める手立てを講じなければなりません。

私が、町民の付託を受け町長として町政の舵取りを担ってから、3期12年目を迎えます。この間、私は、財政の再建を、そして財政の健全化にと力を注いできました。

日野町の財政は、27年度決算で実質公債費比率が当面の目標だった18%を切り、地方債残高は20億円を下回り、積立金は17億円となるなど健全化に向かっています。しかしながら、税収は乏しく交付税に大きく依存する脆弱な財政構造にあり、今後も厳しい財政運営を迫られます。鳥取県西部地震後の財政再建という貴重な経験を引き継ぎ、町民と情報を共有し、堅実な財政運営を心掛けることが肝要であります。

一方で、国勢調査による人口は3,278人となり人口減に歯止めがかからない状況にあり、これを緩やかにすることが急務であります。健全化に向かう財政を土台に、地域を活性化する施策が今こそ求められています。

こうした中、平成29年度の当初予算は、公約で最重要課題としてきた「子育て支援」「若者定住促進 」「保健・医療・福祉の連携」を引き続き推進します。そして、27年10月、町民の幅広い参画を得て策定した「きらり日野町創生戦略」に基づく事業を着実に進めて行きます。少子高齢化、人口減少などの課題に果敢に挑戦し、将来にわたって町民の皆さんの生活を守り活力ある日野町を維持してまいります。

課題であったブロードバンド整備や元日野サンプラザの有効活用などが本格的に動き出す一年になります。3期目の最終年となるこの一年に全力を尽くす所存であります。

初めに、重点事業について述べます。

人口減に歯止めをかけ、若者を中心とした移住・定住を促進する「ふるさと日野あゆプロジェクト」をさらに充実し取り組みます。具体的には、移住・定住を促進するため、移住者をはじめ町内在住の若年世帯も対象とした住宅整備や空き家改修への支援、移住者への通勤支援、U・Iターンや孫ターンした児童・生徒を対象とした給付型のあゆ奨学金を継続実施するほか、新たに婚活を支援する事業に着手するなど、日野町独自の移住・定住対策に積極的に取り組みます。

本町地方創生の柱である元日野サンプラザの有効活用については、まずはセレモニーゾーンで葬祭施設を先行整備し早期の開業をめざします。賑わい交流ゾーンとオフィスゾーンでは、金持神社の縁起にあやかって宝くじ売り場を開設し、店舗やオフィスの出店を募り官民連携によりまちの賑わいを創出します。

次に、ブロードバンド整備であります。高速の光通信網を求める声に応え、29年度末までに町内全域で高速ブロードバンドサービスを可能にします。県内初の民設民営方式により(株)中海テレビ放送に事業実施をお願いしており、町民の皆さんには積極的に加入をお願いしたいと思います。併せて、防災、観光、医療福祉などの分野で高速情報通信網の活用を図ってまいります。

本町の歴史・文化は貴重な地域資源であります。「たたら文化」を活かした町づくりとして、28年度に国の地方創生加速化交付金を活用して取り組んだ「奥日野たたらの里づくり」プロジェクトを受け継いで、都合山たたら遺跡、根雨宿でのモニターツアーやガイド養成などに取り組みます。

続いて、個別の分野について述べます。まず、教育・子育て支援についてであります。

中山間地にあっても、都市部に負けない、むしろ都市部を上回る教育環境を整え小規模を逆手にとって手厚い教育で、地域や家庭と一体になって子ども達を守り育ててまいります。

これまで、各教室へのエアコン設置、タブレットや電子黒板等ICT機器を整備するなど、教育環境の充実を図ってきました。29年度においては、それらを効果的に活用した授業により一層の学力向上を目指します。

平成32年度に全面実施される小学校5年からの英語の必修化、小学校3年からの英語の導入に先行し、児童生徒の英語への興味関心を高めるとともにコミュニケーションツールとしての英語を学ぶ公設の英語教室を新たに開設します。また地域とともにある学校づくりを進めるために、学校・家庭・地域が一体となって学校運営をするコミュニティスクールの導入に向けた取組を行います。

引き続き学校図書館司書、児童支援員を配置、黒坂小学校で少人数学級対策を図るほか日野中学校に学習支援員を配置いたします。またふるさと基金を活用し学校図書館に日野産材の椅子を整備、小中学校、保育所、よらいや図書館、町図書館では引き続き図書の充実を図ります。

ひのっこ保育所の運営については、引き続き保育料の大幅な引下げを実施し保護者の負担軽減を図ります。また「子育て支援室おひさまひろば」や「病後児保育」を実施し、保護者の子育てと就労を支援してまいります。

昨年度からソフトテニスのスポーツ指導員を配置しており、小中学校や日野高校のクラブ活動等で更に活用し日野町のスポーツ振興を図ってまいります。

次に、日野高校との連携です。「魅力化コーディネーター」を日野郡3町で共同配置し、学校と地域との連携による日野高校の魅力向上に取り組んでおり少しずつ成果も見え始めました。29年度においては、コーディネーターを1名増員しこの動きを加速していきます。また、現在休止中である日野高校の双葉寮を再開するに当たり、寮の運営にあたる専任舎監や調理員の配置を町として支援し、県内外からの生徒確保につなげてまいります。

続いて、保健・医療・福祉の一体化による、子どもからお年寄りまで安心して暮らせるまちづくりについてであります。

私の公約の一番目に掲げました「子育て支援」では、新たに「家庭子育て支援事業」を開始します。一定条件のもと1歳までは3万円、3歳までは1万円を交付し、お子さんを家庭内で保育する親御さん、祖父母を応援します。乳幼児期をゆったりとした家族環境で過ごし、家族やひいては地域への愛情の醸成につながることを期待しています。

また、「子育て世代包括支援センター」が行う妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない見守りと総合相談支援、産まれた直後の「育児パッケージ支給」や3歳までの誕生日にお祝い金を贈る「子育て支援事業」で親御さんの子育てを応援します。妊婦・乳幼児健康診査や歯科健康診査、訪問事業など母子の健康保持及び増進を進めるとともに、特定不妊治療及び人工授精治療費への助成を通じて、お子さんに恵まれない夫婦の支援にも取り組んでまいります。

高齢者福祉については、高齢者の皆さんが地域の中で健康で自立し、安心して、生きがいをもって暮らすことができるよう、関係機関と連携し医療や介護サービスの提供はもとより、高齢者の見守り支援、地域に出かける介護予防教室、買い物や交通手段の確保など生活支援を包括的に提供してまいります。

介護制度については、新年度から介護需要の動向に的確に対応するため、介護予防・日常生活総合支援事業が始まります。まず、日野病院、町内の居宅支援事業所等との連携強化を図り、利用者の新制度への円滑な移行に努めるとともに、一層の介護予防に取り組みます。

保健事業では、がん検診をはじめとする各種検診及び健康診査の受診率の向上を図り、疾病の早期発見・早期治療の推進を継続するとともに、健康寿命を延伸するよう「今日(いま)から始める”健康寿命“事業」を継続します。日野病院と鳥取大学医学部の協力を得て健康知識の習得や健康体操を行い、生活習慣の改善を目指します。

続いて、産業の振興であります。

農業を取り巻く情勢は、高齢化と後継者不足、農地の荒廃化など課題が山積していますが、新制度となった農業委員会と手を携えて対策に当たります。

担い手農家への支援を継続し、新たな機械導入に助成を行います。また、販売野菜の種苗購入費を新たに補助することにより販売農家の所得向上と意欲増進を図ります。農林振興公社運営について、農業研修生を受け入れ後継者育成を進め、持続可能な公社運営を支援します。さらに、中山間地域等の農業生産条件の不利を補正し、集落営農を維持・強化するため、中山間地域等直接支払、多面的機能支払、しっかり守る農林基盤整備事業などにも引き続き取り組みます。

一方で農地を守るのに欠かせない鳥獣被害対策については、鳥獣害支援員を1名採用し日野郡3町と県の連携による対策協議会で取組を進めてまいります。

次に木材価格は依然低迷しておりますが、国土保全の意味からも山を守ることは必要不可欠であります。今後も森林組合などの林業事業者と連携を密にし、森林経営計画の策定を促進し、間伐事業に取り組んでまいります。

滝山公園整備については、28年度からスタートした環境整備や年次的な植生を継続実施し、ツツジの開花状況を改善しツツジの名所滝山公園の復活を図ります。

商工業については、町内事業者支援として昼食スタンプラリーを継続するほか、新たに小規模事業者経営貸付資金利子補助を行うとともに、事業継承・商品開発セミナーを支援します。

公共事業については、通学・通勤の安心安全を確保するため、町道根雨1号線の歩道設置工事に取り掛かります。町道下黒坂線の舟場から江府町下安井までを鳥取県受託事業により設計と用地測量に取り組みます。新たに町道近江畑線の道路改良工事を行います。

また、安全でおいしい水を安定的に供給するため、根雨地区簡易水道浄水場の改良事業を実施します。下水道事業においては、処理施設の老朽化がみられ新年度から事故の未然防止やライフサイクルコストの最小化を図るため、長寿命化計画に基づき施設の更新を実施していきます。

以上、私の施政方針を述べさせていただきました。本町を取り巻く社会経済情勢は、今後も厳しさを増すことが予想されます。恐れることなく挑戦を続け、変革を目指す歩みを進めてまいります。町民の皆さんが安心して住み続けるとともに、未来を担う若者が一人でも多く定住し、夢と希望をもって暮らすことができるまちづくりを、残された1年、全力で取り組んでまいります。

議員各位及び町民の皆様のご理解とご協力をお願いし、私の施政方針といたします。

日野町長  景山享弘