○日野町認知症総合支援事業実施要綱

平成30年9月1日

要綱第25号

(目的)

第1条 この要綱は、介護保険法(平成9年法律第123号)第115条の45第2項第6号の規定に基づき認知症総合支援事業を実施することにより、認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、認知症の人及びその家族(以下「認知症の人等」という。)に対して効果的な支援が行われる体制を構築することを目的とする。

(実施主体)

第2条 この事業の実施主体は日野町とする。ただし、事業の全部又は一部について、町が適当と認める団体等に委託することができる。

(事業内容)

第3条 認知症総合支援事業で実施する事業は、次のとおりとする。

(1) 認知症初期集中支援推進事業

(2) 認知症地域支援・ケア向上事業

(3) その他認知症支援等に必要な事業

(認知症初期集中支援推進事業)

第4条 認知症初期集中支援推進事業は、認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるために、認知症の人等に早期に関わる認知症初期集中支援チーム(以下「支援チーム」という。)を配置し、早期診断・早期対応に向けた支援体制を構築する。

(支援チームの役割)

第5条 認知症に係る専門的な知識・技能を有する医師の指導の下、複数の専門職が家族の訴え等により認知症が疑われる人又は認知症の人(以下「訪問支援対象者」という。)及びその家族を訪問、観察・評価、家族支援等の初期の支援を包括的、集中的に行い、自立生活のサポートを行うものとする。

2 事業実施については、地域包括支援センター、町保健師、かかりつけ医、かかりつけ歯科医、認知症サポート医、認知症に係る専門的な知識と技能を有する医師、認知症疾患医療センター職員、介護事業者との連携を常に意識し、情報が共有できる仕組みを確保する。

(支援チームの実施体制)

第6条 支援チームは、町健康福祉課に配置する。

2 支援チームは、2人以上の専門職及び1人の専門医により構成するものとする。

3 前項の専門職は、次のいずれにも該当する者とする。

(1) 保健師、看護師、准看護師、作業療法士、歯科衛生士、精神保健福祉士、社会福祉士、介護福祉士及び介護支援専門員等の医療保健福祉に関する資格を有する者

(2) 認知症ケア又は在宅ケアの実務・相談業務等に3年以上携わった経験を有する者

(3) 国が定める「認知症初期集中支援チーム員研修」を受講し、必要な知識・技能を修得した者。

4 やむを得ない場合には、前項の研修を受講したチーム員が受講内容をチーム内で共有することを条件として、同研修を受講していない者をチーム員とすることができる。

5 第1項の専門医は、認知症サポート医で次のいずれかに該当する者とする。

(1) 日本老年精神医学会若しくは日本認知症学会の定める専門医

(2) 認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師(認知症サポート医研修を受講する予定の者も含む。)

(3) 認知症疾患の診断・治療に5年以上従事した経験を有する者(認知症疾患医療センター等の専門医と連携を図っている場合に限る。)

(支援チーム員の役割)

第7条 医療保健福祉の専門職は、訪問支援対象者の認知症の包括的観察・評価に基づく初期集中支援を行うために訪問活動等を行う。

2 専門医は、他のチーム員をバックアップし、認知症に関して専門的見識から指導・助言を行う。また、必要に応じてチーム員とともに訪問し相談に応じる。

3 訪問する場合のチーム員数は、初回の観察・評価の訪問は原則として医療系職員と介護系職員各1人以上の計2人以上で訪問することとする。

(支援チーム検討委員会の設置)

第8条 町長は、医療保健福祉に携わる関係者で構成される認知症初期集中支援チーム検討委員会(以下「検討委員会」という。)を置き、次の事項を協議する。

(1) 支援チームの設置及び活動状況に関すること。

(2) 支援チームと関係者との連携に関すること。

(3) その他支援チームの活動に関する必要な事項。

(訪問支援対象者)

第9条 訪問支援対象者は、原則として、40歳以上の在宅で生活している認知症が疑われる人又は認知症の人で、次の各号のいずれかに該当する者とする。

(1) 医療サービス、介護サービスを受けていない者又は中断している者で、次のいずれかに該当する者

 認知症の臨床診断を受けていない者

 継続的な医療サービスを受けていない者

 適切な介護サービスに結びついていない者

 介護サービスが中断している者

(2) 医療サービス又は介護サービスを受けているが、認知症の行動・心理症状が顕著なため、対応に苦慮している者

(支援チームの活動内容)

第10条 支援チームの活動内容は、支援チームに関する普及啓発及び認知症の初期集中支援の実施とし、いずれも実施するものとする。

2 支援チームに関する普及啓発は、地域住民や関係機関・団体に対し、支援チームの役割及び機能について広報活動並びに協力依頼を行うなど、各地域の実情に応じた取り組みを行う。

3 認知症初期集中支援は、次のとおりとする。

(1) 訪問支援対象者の把握

(2) 情報収集及び観察・評価

(3) 初回訪問時の支援

(4) 専門医を含めたチーム員会議の開催

(5) 初期集中支援の実施

(6) 医療サービス及び介護サービスへ引き継ぎ後のモニタリング

(7) 支援実施中の情報共有

(認知症地域支援・ケア向上事業)

第11条 認知症地域支援・ケア向上事業は、認知症の人が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために、医療機関及び介護サービス事業者、地域の支援機関との連携支援並びに認知症の人等を支援する相談業務等を行う認知症地域支援推進員(以下「推進員」という。)を配置し、認知症の人の状態に応じて必要なサービスが提供される支援体制の構築及び地域の実情に応じて認知症ケアの向上を図る。

(推進員の配置)

第12条 推進員は、町健康福祉課に配置する。

2 推進員は、次のいずれかに該当する者を1人以上配置するものとする。

(1) 認知症の医療及び介護における専門的知識・経験を有する医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義歯装具士、歯科衛生士、介護支援専門員、栄養士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師

(2) 認知症の医療及び介護における専門的知識・経験を有する者として町長が認める者。

(推進員の業務内容)

第13条 推進員は次の業務を行うものとする。

(1) 地域包括支援センター、認知症疾患医療センターを含む医療機関、介護サービス事業所、認知症サポーター等地域における関係機関の連携体制を構築すること。

(2) 知識・経験を活かした相談支援を実施すること。

(3) 認知症初期集中支援推進事業で設置する支援チームと連携を図り、状況に応じた必要なサービスが提供されるよう調整すること。

(4) 地域における認知症の理解を深めるため、認知症サポーター養成講座を実施すること。

(5) 認知症の人等や地域住民、専門職が集い、認知症の人を支えるつながりを支援し、家族の負担軽減等を図ること。

(6) その他認知症の人等の支援に必要な事項に関すること。

(関係機関との連携等)

第14条 町長は、事業の実施にあたり関係機関等との連携及び協力し、認知症に対する支援体制の整備に努めるものとする。

(個人情報の保護)

第15条 この事業に従事する者は、業務上知り得た個人に関する情報その他秘密事項を他に漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

(その他)

第16条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は町長が別に定める。

この要綱は、平成30年9月1日から施行する。

日野町認知症総合支援事業実施要綱

平成30年9月1日 要綱第25号

(平成30年9月1日施行)