総務課

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平成27年度施政方針

2015年3月3日

平成27年度の日野町政を推進するにあたりまして、施策の方針を申し述べ、議員の皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げるところであります。

まず、昨年を振り返りますと、わが町では大きな災害も無い1年でありましたが、国内では広島市の記録的豪雨による土砂災害、長野と岐阜の県境に位置する御嶽山の噴火などが発生し、各地に甚大な災害をもたらすとともに多数の尊い人命が失われ、心を痛めました。自然災害の恐ろしさとともに、防災対策の必要性を改めて感じた年でもありました。

また、本年は戦後70年を迎えます。この節目の年に改めて命の大切さを噛みしめるとともに、現在でも海外では戦争・紛争など各地で繰り返され、多くの住民が犠牲となっています。さらには、日本人が巻き込まれるテロ行為も発生しています。今後も戦争の悲惨さと平和の大切さを子ども達に伝え後世に引き継いでいきたいと考えます。

私は2期8年間、財政再建、そして財政健全化に取り組んできました。町民の皆様の協力を得て税・使用料の値上げ、人件費の削減などを行いました。事業もある程度抑え起債の繰上償還なども行って来た結果、実質公債費比率は全国ワースト3位の31%から現在の18%目前まで戻る見込みとなりました。

3期目に当たり「子育て支援と教育」「若者の定住促進」「高齢化に対応するための医療と保健、福祉の連携」を最重要課題であると位置づけ、27年度予算はこれらを本格的に取り組む予算として編成しました。これまで先送り或いは、取り組めなかった事業にも積極的に取り組み、地方創生の流れに乗って新しい発想を取り入れ意欲的な事業展開を図りたいと考えています。

国においては昨年11月「まち・ひと・しごと創生法」が成立。人口減少に歯止めをかけ、東京一極集中の解消を期待していますが、何をどうすれば真の「地方創生」となり持続可能な地域になるか、残念ながら国からは明確な処方箋が見えて来ません。私は、町民、町職員が一丸となって地域の価値を見出し、日野町の創生に取り組むことが必要だと考えています。近年、Iターンの青年や地域おこし協力隊の若者が増え始めるなど、新たな動きも出てきております。今後こうした若い人たちの意見も大胆に取り入れ、日野町の総合戦略を立てて参ります。

日野町版地方創生事業につきましては、平成26年度地方創生補正予算に計上しており、27年度予算と一体的に、運営を行います。消費喚起型は、商工会に委託し25%のプレミアム付き商品券やひのっ子世帯応援商品券を発行するほか、昼食限定スタンプラリー事業を行い町内の飲食店を活性化し町内はもとより町外からも人の呼べる魅力ある店づくりを支援します。

地方創生先行型としては、「次世代の育成・地域資源の活用・安全安心な暮らしを守る」を3本柱に据え、持続可能なまちづくりを推進してまいります。

  • 次世代の育成では、若者を中心とした移住定住推進プロジェクト、鳥取大学医学部連携の命を考える授業、学校でのICTの活用、子育て支援拡充、日野高校支援として魅力向上取組みを展開。
  • 地域資源活用では、ブランド特産品開発や郷土料理の復活支援、日野町中(まちなか)図書館事業、観光看板の統一化及び都合山たたら遺跡の活用事業を推進。
  • 安心安全な暮らしでは、日野病院との連携による地域包括ケアシステムの構築を図ることとし、これらの事業により人を呼び込み、転出の流れを止め町再生につなげる一歩としたいと考えます。

教育の振興や子育て支援であります。中山間地域にあっても充実した教育環境の下で、学力向上や生きる力等教育的成果につなげていきたいと思います。地域と一体となった保育や少人数で手厚い教育は、町外からも人を呼び込める町の特色になるものと考えます。

教育行政における責任の明確化などを目的に改正された教育委員会制度に対応して、新年度の早い時期に総合教育会議を立ち上げ、教育委員会と連携してより質の高い教育の実現を図ります。

黒坂小学校で複式解消を図るほか、新たに、少人数でより充実した学習環境を整備するため、日野中学校1年生に加配教員を配置いたします。また根雨・黒坂両小学校各教室にエアコンを設置するほかプールや窓枠修繕等学校施設の整備を進め促進します。各小学校にタブレット端末や電子黒板を導入し、ICTを活用した授業を行うなど市部を上回る学習環境の向上をめざしてまいります。

また保小の連携については、26年度から児童支援員を保育所及び小学校に配置し児童をサポートしており、引き続き実施してまいります。

平成24年度から町立図書館を始めとし、保育所、小中の学校図書館に司書職員の配置や蔵書の充実を図ってきており、子供たちに本と触れ合う機会を増やすことを実施してきて効果が出てきております。学校図書館をネットワークで結び相互利用を可能にし、更に利便性を図っていきます。また文化センター・図書館が平成27年度で開館20周年を迎えることとなり、記念事業の開催を計画いたしております。文化ホールでは町民歌「きらりこの町」を唄うダカーポと作詞・作曲家を招きコンサートを行うほか日野町ゆかりの方々の催しを開催し、20周年を祝うとともに更なる文化の振興を図っていきます。

ひのっこ保育所の運営でありますが、昨年度から多子世帯の保育料について第3子を無料とするなど大幅な軽減措置を実施しており、引き続き実施し保護者の負担軽減を図ってまいります。

次に、学童の居場所づくり支援については、「放課後子ども教室」を引き続き、根雨小学校、黒坂小学校に開設し、地域の方々の参画を頂きながら、子どもたちの安全の確保と健全育成を目的として、学習の向上、スポーツ振興や地域との交流などを積極的に取り入れ、児童の健やかな成長を支援していきます。また、通学の児童・生徒の安心・安全を確保するため、安心してバス通学のできる体制の整備と保護者の負担の軽減を図るため、通学バスの無償での利用を引き続き行うことにより、少子化に対応した子育て支援の充実を図ります。

次に、日野高校との連携ですが、昨年9月から「日野高等学校魅力化コーディネーター」を日野郡3町で共同配置しております。日野高校を更に魅力ある学校としていき、地域と共に生きる学校となるよう活動費を組むなど日野町として努めていきたいと考えております。

また、若者の定住促進につきましては、過疎、少子高齢化に歯止めをかけるためにも、一人でも多くの若者が町内に住んでいただけるよう、できることから取り組んでいきます。

IJターンで本町に住みたい、あるいは既に住んでいただいている方々については、そのニーズをお伺いしながら、空き家情報の提供や国・県・町の支援制度を活用していただき、今後とも、IJターンの方々の移住・定住促進に取り組みます。

また、現在、国の「地域おこし協力隊」制度を活用し、都市部から2名の若者を本町に呼び込んでいますが、更なる募集を行い、地域活動に従事していただくことにより、将来の定住に向け、地域に溶け込んでいただくよう、取り組んでまいります。

続いて、医療・保健・福祉の一体化による、子どもからお年寄りまで安心して暮らせる町づくりの推進であります。

過疎化、少子高齢化の進行に伴い、医療・福祉に対するニーズは、ますます高まっております。このため医療・保健・福祉・介護の連携のもと、地域包括ケアの理念をもとに、地域の実情に応じた、きめ細やかな取り組みを進めながら、子どもから高齢者まで全ての町民が、生涯にわたり住み慣れた地域で安心して生き生きと暮らし続けることができるまちづくりを進めて参ります。

鳥取大学医学部との連携でありますが、昨年6月日野病院に設置された地域医療学総合教育研修センターと連携し、地域に出かけて町民の健康課題の解決や健康意識の高揚に向けた取り組みを進めるほか、鳥取大学医学部保健学科との共同事業として、足腰の病気や転倒による骨折を予防するためのロコモ健診を進めて参ります。

子育て支援につきましては、安心して子どもを産み育てられるよう、妊婦・乳幼児健康診査や歯科健康診査、訪問事業など、母子の健康保持及び増進に努めて参ります。また、特定不妊治療及び人工授精治療費への助成を通じて、お子さんに恵まれない夫婦の支援に取り組んで参ります。さらには、子どもの健全育成、保護者の経済的な負担の軽減を推進するため、1歳から3歳までに加え、新たに出生をお祝いする支援金を給付いたします。

高齢者福祉につきましては、高齢者の皆さんが地域の中で健康で自立し、安心して、生きがいをもって暮らすことができるよう、関係機関・団体と連携しながら、医療や介護サービスの提供はもとより、高齢者の見守り支援や、地域に出かける介護予防教室や出前公民館の開催、買い物や交通手段の確保など生活支援を包括的に提供して参ります。

なお、介護につきましては、このたび策定しました第6期介護保険事業計画に基づき、介護需要の動向に的確に対応しながら、介護サービス利用者への支援充実に努めるとともに、制度改正により、今後取り組みが必要となる介護予防・日常生活総合事業、在宅医療・介護の連携、認知症総合支援事業等の取り組みに向け、鳥取大学医学部、日野病院、町内の居宅支援事業所等との連携強化を図りながら準備を進めてまいりたいと考えております。

生活困窮者の福祉につきましては、生活困窮者自立支援法の成立に伴い、福祉事務所において、新たに相談窓口を設け、個々の生活実態にあった支援計画の作成や就労支援を行って参ります。また、一人暮らし、生活費も年金だけの高齢者も多いと思いますが、相談に応じて保護や施設への措置入所といった対応も考えるところであります。

保健事業につきましては、感染症予防法に基づき、重症化しやすい子どもや高齢者の定期予防接種を実施するとともに、任意接種であるインフルエンザ予防接種の助成は、従来中学生以下だけでありましたが、新たに高校生や大人の年代も追加し、全町民を対象と致しました。

また、各種検診及び健康診査の受診率の向上を図りながら、疾病の早期発見を推進するとともに、健康相談、健康教育及び家庭訪問指導などにより町民の健康増進を支援して参ります。

続きまして、農林業の振興であります。

まず、農業振興策としましては、新規就農者や認定農業者等に対して農業経営や生活支援への取り組み、担い手農家の規模拡大への支援を引き続き行います。町内で生産される美味しいコシヒカリや特別栽培米の消費拡大を図るため、堆肥施用、有機農業の取り組みを促進する環境保全型農業を支援するほか今年9月から境港市の学校給食に提供される予定の海藻米の生産を支援します。耕作放棄地防止等を引き続き行うための、第4期対策中山間地域等直接支払事業、多面的機能支払事業への取組の普及促進、鳥獣被害対策についても、日野郡鳥獣被害対策事業を日野郡3町と県が連携し対応することといたしております。

次に、林業振興では、町行造林を始めとする間伐事業への支援や効率的な林業生産活動を行うため、森林経営計画の作成、森林調査や作業路網の簡易な改良支援等の森林整備地域活動支援事業や竹林の管理不足による森林環境の悪化に対応するため、鳥取県森林環境保全税を財源とした、竹林整備事業に取り組むことにより、森林の持つ多面的機能の維持を図り、災害防止、水源涵養、地球温暖化防止のための事業展開を図ることとしています。

また、若者の移住・定住促進につきましては、過疎・少子高齢化の影響による人口減少が続いており、一人でも多くの若者が町内に住んでいただけるよう、単身者向住宅建設に続いて、世帯向け住宅を建設します。今後年次的に取り組みたいと考えております。

公共事業については、橋梁の長寿命化修繕策定計画に基づく橋梁の修繕のほか今後年次的に取り組みたいと考えております。新規事業として通学・通勤の安心安全を確保するため、町道根雨1号線のJR踏切内に歩道設置事業に取り組みます。日野郡3町と県との連携として除雪機械運転手の育成をするため免許取得の一部を助成する制度を新設し、除雪体制の確保を図ります。

また、近年、高齢者を狙う悪質巧妙な手口での消費者トラブルが増えており、町といたしましては、消費者生活相談窓口の強化、啓発活動に取り組んでいるところでありますが、今後も町民の安心・安全な消費生活の実現を図るため、消費者行政につきましても持続的に維持・充実を図りながら取り組んでまいります。

以上、私の施政方針を述べさせていただいたところでございますが、私としましては、引き続き住民の皆さんのご意見を頂く中で創意工夫を凝らし、これからのまちづくりを担う若者が、夢と希望をもって暮らすことができるまち・安心して子供を産み育てることができるまち、町民の皆様が「安全で安心に、魅力を感じていただけるまちづくり」を念頭に、町民と行政が共に手を組み推し進める所存でございます。ご理解とご協力をお願いし、私の施政方針といたします。

日野町長  景山享弘

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